法令上の制限

1.都市計画法

2.建築基準法

3.国土利用法

4.農地法

5.土地区画整理法

6.宅地造成等規制

7.その他政令による制限

1-1 都市計画法(全体構造)

都市計画法による街づくりの手順をオーソドックスなパターン

都市計画法は、「計画的な街づくりの方法」を規定した法律だ。街づくりを行う際に最初にすることは、街づくりの場所(都市計画区域) を決めることだ。その中に様々な「都市計画 」を当てはめていく。街づくりの流れは以下のとうりだ。
1 区域区分
 都市計画区域を、開発をする場合(市街化区域)と開発を抑える(市街化調整区域)の二つに分ける。都市計画区域は、非常に広い範囲に指定される ことがある。すべての範囲いっぺんに開発するには、膨大なお金と時間がかかるので、優先順位をつけるのだ。
2 用途地域
 次に、市街化区域を土地の利用目的によって分ける。おおまかには住居系、商業系、工業系の3種類だ。これを用途地域という。
3 その他の都市計画
 人が暮らしていくには、道路・上下水道・送電設備・学校・病院等の施設(都市施設)が必要だろう。
 都市施設は一つずつ設置することもできるが、まとめて整備していくこともできる(市街地開発事業)。そして、作ろうとしている街の青写真 に反する開発や建築が行われないように制限をかける。これを都市計画制限という。

<街づくりの流れ>

街をつくる場所を決める
(都市計画区域の指定)

   ↓

その場所をどのような街にするのかプランを立てる
(都市計画の内容)

   ↓

     ①都市計画区域の整備・開発及び保全の方針
     ②区域区分
     ③都市再開発方針等
     ➃地域地区
     ⑤空く新区域
     ➅遊休う土地転換利用促進地域
     ⑦被災市街地復興推進地域
     ⑧都市施設
     ⑨市街地開発事業
     ⑩市街地開発事業等予定区域
     ⑪地区計画等

具体的なプランを決定する
(都市計画の決定手続き)

   ↓

プランが決まったら、そのプランに反することを差せない
(都市計画制限)

1-2 都市計画法(都市計画区域)

都市計画区域とは何か?都市計画区域は行政区画に従って指定されるのか?そもそも誰が指定するのか?

1 都市計画区域とは

 街づくりをする場合のことを都市計画区域という。人が大勢いる、又はこれから大勢やってくる場所と思えばよい。 街づくりは、この都市計画区域の指定からスタートする。
 なお、すべての都市計画区域について、マスタープラン(都市計画区域の整備、開発及び保全の方針) を定めなければならない。計画的な街づくりをするためには、どのような街づくりを進めていくのかという、大枠の方針が必要だからだ。
 そのマスタープランには、①区域区分の決定の有無及び当該区域区分を定めるときはその方針を必ず定める。②都市計画の目標、 土地利用。都市施設の整備及び市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針は定めるように努めなければならない。

1 都市計画区域は誰が指定するのか

<1つの都道府県に指定する場合>
関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴き

   ↓

国土交通大臣に協議し、その同意を得て

   ↓

都道府県が指定


<2つ以上の都府県に渡って指定する場合>
関係各都府県の意見を聴き

   ↓

国土交通大臣が指定


 1 都市計画区域とは、一対の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要がある地域である。
   2 原則として、都市計画区域内にのみ都市計画法は適用される。
   3 都市計画区域は、県境、市町村境などの行政区画とは関係なく定められる。
   4 都市計画区域指定業者
一つの都道府県に指定する場合都道府県
複数の都府県にわたって指定する場合国土交通大臣

1-3 都市計画法(準都市計画区域)

準都市計画区域とは何か?準都市計画区域は誰が指定するのか?

1 準都市計画区域とは

 都市計画区域外には原則として都市計画法の規制がかからない。もしそれが郊外の幹線道路の沿道などであれば、規制がかからないのをいいことに乱開発 が進みかねない。将来、いざ都市計画区域に指定しようとしたときには、無秩序な街が出来上がってしまっているおそれがある。そこで、どんどん建物が 建っているなど、放っておくと将来の街づくりに支障が出るような都市計画区域外の場所を、土地利用の整序や環境保全のために 準都市計画区域として指定できるのだ。準都市計画区域には都市計画法のうち一定の規制がかかるので、乱開発に歯止めがかけられる。

2 準都市計画区域は誰が指定するのか

 準都市計画区域は都道府県が指定する。平成18年の法改正までは指定権者は市町村であったが、市町村よりも広域的な視点で規制をかけることができるという理由で 、都道府県に変更された。
あらかじめ、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴き

都道府県が指定

1-4 都市計画法(区域区分)

区域区分とは何か?市街化区域・市街化調整区域とは、どんな場所?

 区域区分とは、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域の2つに分けることだ。 実務上、「線引き」ともいう。
 市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に 市街化を図るべき区域(つまりどんどん市街化する区域)だ。 これに対し、市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区(自然環境を守っていく区域)だ。
 もっとも、すべての都市計画区域で区域分を定めるわけではない。都道府県が必要と判断した場合だけ、区域区分を定めることが できるのだ。。線引きされていない都市計画区域のことを、一般に「非線引き都市計画区域」という。 試験では、正式名称である「区域区分が定められていない都市計画区域」と出題されるので注意しよう。
 
都市計画区域内①市街化区域
②市街化調整区域
③区域区分が定められていない都市計画区域(非線引き都市計画区域)
都市計画区域外➃準都市計画区域
⑤都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域

1-5 都市計画法(地域地区)

地域地区の種類・内容と用途地域はどこに定める?

1 地域地区

 家庭菜園に、トマトもきゅうりも大根もごっちゃまぜに植える人はあまりいない。ここはトマトの区画、ここは、キュウリ・・・・というように 、計画性をもって植えるのが普通だ。
 市街化区域も、それぞれの土地の利用目的を決め、目的に合った建物を建てた行く。この土地利用のプランのことを地域地区といい、 用途地域と補助的地域の2つがある。

2 用途地域

 用途地域とは、「この地域はこういう土地利用のしかたをする」と定める都市計画のことだ。住居系・商業系・工業系、あわせて 13種類がある。建築基準法でそれぞれの土地利用に合わせた建築規制がかかる(用途規制)。
1 住居系の用途地域
(1)第一種低層住宅専用地域
 閑静な住宅街
(2)第二種低層住居専用地域
 コンビニ等の小売店舗が存在し、第一種低層住居専用地域よりは、少しにぎわっているところ
(3)田園住居地域
 農産物直売所、地元産の農産物による料理を提供するレストラン、農産物の集荷施設がある、低層住宅と農地が混在しているところ
(4)第一種中高層住宅専用地域
6~7階建てくらいの中高層マンションが立ち並んでいるところ
(5)第二種中高層住居専用地域
 大きめの店舗、事務所等が存在し、第一種居住用地域よりは、比較的大きな中高層マンションが混在するところ
(6)第一種住居地域
 一戸建て住宅と中高層マンションが混在するところ
(7)第二種住居地域
 ぱちんこ屋・マージャン屋等の店舗が存在し、第一種住居地域と比べると、店舗や事務所が多めに混在するところ
(8)準住居地域
 比較的大きな道路沿いの地域で、大きなパーキングがあるスーパーマーケットや自動車のショウルームと住宅が混在しているところ
2 商業系の用途地域
 繁華街、デパートが存在するところ
3 工業系の用途地域
(1)準工業地域
 工場が多く存在するところではあるが、花火工場のような著しく危険な工場の存在を認めず、周囲の環境保全に配慮された地域
(2)工業地域
 工業専用地域に比べると、住居や店舗等が比較的存在する工場地帯
(3)工業専用地域
 石油コンビナート・臨海工業地帯

3 用途地域はどこに定めるのだろうか

 市街化区域は建物が建っていくため、必ず用途地域を定める。市街化調整区域は原則として建物が建てられないので、用途地域も 原則として定めない。

1 市街化区域 → 少なくても用途地域を定める

2 市街化調整区域 → 原則として用途地域を定めない

内容
住居系第一種低層住居専用地域低層住宅に係わる良好な住居の環境を定めた地域
第二種低層住居専用地域主として低層住宅に係わる良好な住居の環境を定めた地域
田園住居地域農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係わる良好な住民環境を保護するため定める地域
第一種中高層住居専用地域中高層住宅に係わる良好な住居の環境を保護するため定める地域
第二種中高層住居専用地域主として中高層住宅に係わる良好な住居の環境を保護するため定める地域
第一種住居地域住居の環境を保護するため定める地域
第二種住居地域主として住居の環境を保護するため定める地域
準住居地域道路の沿道として地域の特性にふさわしい業務の利便性の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護する地域
商業系近隣商業地域近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため 定める地域
商業地域主として商業その他の業務の利便を増進するために定める地域
工業系準工業地域主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するために定める地域
工業地域主として工業の利便を増進するために定める地域
工業専用地域工業の利便を増進するために定める地域

4 用途地域内の制限か

 用途地域に関する都市計画には、建築物の容積率、建蔽率、高さの限度などをを定めねばならない。

<用途地域に関する都市計画の定めること>

必ず定めること①容積率限度
②建蔽率(商業地域を除く)
③高さの限度(第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域のみ)
必要な場合にのみ定めること敷地面積の最低限度(200m2を超えない範囲で定める)

5 補助的地域地区

 用途地域の指定により、地域の基本的な色分けは決まったが、さらに地域の特色を出すために、用途をよりきめ細かく規制する補助的地域地区が 用意されている。

<補助的地域地区>

1 用途地域内のみ定められるもの

特別用途地区用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境保護等の特別の 目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地域
高層住居誘導地区住居と住居以外の用途を適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、一定の 用途地域で、建築物の容積率の制限が10分の40・10分の50と定められていた地域及び敷地面積の最低限度を定める地区
高度地区用途用途地域内において市街地環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は 最低限度を定める地区
高度利用地区用途地域内の市街地における土地利用の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進と更新を図るため、 容積率の最高限度及ぶ最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度ならぶに壁面の位置の制限を定める地区
特別容積率適用地区一定用途用域内(第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域 ・工業専用地域を除いた用途地域内)において、建築物の容積率の限度からみて未利用となっている建造物の容積活用 を促進して土地の高度制限を図るため定める地区

2 用途地域内の内外を問わず定められるもの

特定街区市街地の整備改善を図るため街区の整備又は増勢が行われる地区について、その街区内における容積率ならびに 建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める地区(新宿副都心等の超高層ビル街)
防火地域・準防火地域市街地における火災の危機を防除するため定める地域
景観地域市街地の良好な(街並み)の形成を図るため、建築物の形態匠(デザイン)、高さ、壁面、敷地面積を 制限する地区
風致地区都市の風致(自然美)を維持するため、地方公共団体の条例で建築物の建築、宅地の造成、木材の 伐採等の行為を規制する地区

2 用途地域外にのみ定められるもの

特定用途制限地域用途地域が定められていない土地の区域 (市街化調整区域を除く)内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、 制限すべき特定の建築物の用途の概要を定める地域

 補助的地域地区のうち、よく出題されているものと、出題が予想されるもの
1 特別用途地区
 特別用途地区ちは、用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の 特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区である。用途地域の指定を補完する(補う) とはどういうことだろうか。
 昔、幼稚園や小学校で、色セロファンを工作に使った経験はないだろうか。赤いセロファン紙に青を重ねると、そこだけ ムラサキになる。青いセロファン紙に黄色を重ねるとそこだけ緑になる。
 特別用途地区も色セロファン同様、用途地域を重ねてもとの色を変化させるためのものである。たとえば、東京都 でいえば、もともと風俗営業が許されている用途地域に特別用途地区を重ねることで、風俗営業を禁止して教育環境 の維持向上を図ったり(文教地区)、工業系の用途地域に特別用途地区を重ねることで、建築できる業種を制限して 公害を防止したり、(特別用途地区)というように使われている。
 個々の特別用途地区の制限の内容は地方公共団体の条例で定められるため、制限内容は地方公共団体ごとにそれぞれ 異なる。ただし、建築物の用途制限を緩和するには国土交通大臣の承認が必要である。
2 高層住宅誘導地区
 高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため定める地区である。
 高い高層住宅の建設を誘導するため定める地区である。
 高層住居誘導地区では。高層住宅の建設を誘導するため、容積率や建蔽率等の制限を緩和する、比較的用途の許容率が高い 用途市域(第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域・近隣商業地域)のうち、容積率制限が緩やかな地域(10分の40又は10分の50) に指定される。
3 高度地区
 高度地区は、建築物の高さの最高限度又は、最低限度を定める地区である。
4 高度利用地区
 高度利用地区は、用途地域内の土地を「高度利用」、つまり有効利用するために、容積率の最高限度又は最低限度等を定める地区である。
5 特例容積率適用地区
 特例容積率適用地区とは、第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域・工業専用地域を除く用途地域内の 適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域において、建築基準法の規定による建築物の容積率の限度からみて 未利用となっている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図るため定める地域である。
 特例容積率適用地区に指定されると、他の敷地の未使用容積率を自分の敷地に「寄せて上げる」ことができる。 たとえば、容積率が500%の地区なのに、ある敷地では300%しか利用していないとする。この場合、余っている 200%を自分の敷地に寄せ集め、延べ面積の大きい建築物を建築することができる。
 ただし、市街化の環境を確保するため必要な時は、建築物の高さの最高限度を定めることができる。際限なく「上げる」 ことができるわけではないのだ。
 第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域は、低層住宅を建てる地域なので「寄せて上げる」必要はないと考えられるし、 工業専用地域は石油コンビナート等であり、「寄せて上げる」と危険であるため 、これらの用途地域には特例容積率適用地区を指定することはできない。
6 風致地区内における建築等の規制に係わる条例の制定に関する基準を定める政令
①都市計画第58条第1項の規定に基づく建築等の規制についての条例は、面積が10ha以上の風致地区(2以上の市町村(都の特別区を含む) の区域にわたるものに限る)に係わるものにあっては都道府県が、その他の風致地区に係わるものにあっては市町村が定める。
②風致地区内の一定の行為については、あらかじめ、面積が10ha以上風致地区(2以上の市町村(都の特別区を含む)の区域に わたるものに限る)にあっては都道府県知事(市(都の特別区を含む)の区域内にあっては、当該市の長)その他の風致地区にあっては 市町村の長の許可を受けなければならないものとする。
7 特定用途制限地域
 用途地域外では、建築基準法の用途規制はほとんどされない。市街化調整区域であれば原則として建築物の建築が禁止 されているが、非線引き都市計画区域や準都市計画区域は建築可能であるため、建築物が自由気ままに建築されて しまうおそれがある。このような場合に指定されるのが特定用途制限地域である。特定用途制限地域とは、 用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)内において、その良好な環境の形成 又は保持のため、当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき 特定の建築物等の用途の概要を定める地域である。これにより、大規模店舗等、特定の用途の建築物を 制限できるようになるのである。

1-6 都市計画法(都市施設)

都市施設とは?どの場所に、どの都市施設のプランを定めなければならないのか?

1 都市施設とは

 都市施設とは、道路、公園、上下水道、学校、病院などのように、人が都市で生活していくうえでなくてはならない、 みんなが使う施設のことだ。
 なかでも、道路・公園・下水道の三つは、人がたくさん住んでいる市街化区域には必ず定めなければならない。
 また、住居系用途地域には子供がいっぱいいるため、必ず義務教育施設(小・中学校)をも定めなければならない。

2 都市施設はどこに定めるか

 都市計画区域内はもちろん、特に必要があるときは都市計画区域外でも定める ことができる。山奥でも、道路は通っているからだ。

<都市施設>

市街化区域
区域区分が定められていない都市計画区域
道路・公園・下水道を必ず定める
住居系の用途地域(上記に加え)義務教育施設を必ず定める
都市計画区域外特に必要があるときは都市施設を定めることができる。

1-7 都市計画法(地区計画)

地区計画とは?地区計画が指定できる区域は?地区計画の区域における届出とは?

1 地区計画とは

 今まで見てきた都市計画(区域区分・地域地区・都市施設)は、都市計画区域全体をどうデザインしていくか という視点に立った、いわば「大きな街づくり」だ。
 これに対し、地区計画は「小さな街づくり」、つまり、比較的小規模な地区を単位として、それぞれ の区域の特性にふさわしい街づくりをする都市計画なのだ。たとえば、「映画村」で有名な京都の太泰や横浜のみなとみらい21、神戸の ハーバーランドなどである。
 地区計画は、用途地域が定められている土地の区画においてはどこにでも定めることができ、用途地域が定められていない区域でも 、健全な住宅市街地の良好な居住環境が形成されている区域など、一定の区域には定めることができる。
 地元密着型の都市計画であるため、地区計画の決定権者は、都道府県ではなく市町村である。

2 届出制

 地区計画の区域のうち、道路・公園等の施設の配置及び規模が定められている再開発促進区※1が定められている 区域内において、土地の区画形質の変更や建築物の建築等を行う場合は、原則として、行為着手の30日前までに必要事項を 市町村長に届け出なければならない。届け出た内容を変更する場合も同様である。
 この届出内容が地区計画に適合しない場合、市町村長は設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告することができる。
 ※1再開発促進区:土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進を図るため、一対かつ総合的な市街地の再開発又は開発整備を実施すべき区域
 ※2開発整備促進区:劇場、店舗、飲食店等の特定大規模建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、一対かつ総合的な 市街地の開発整備を実施すべき区域
※3 地区整備計画:主として街区内の居住者等の知用に供される道路・公園その他の政令で定める施設(地区施設)及び建築物等の整備ならびに 土地利用に関する計画

<地区計画>

地区計画とは建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、 一対としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な各街区を整備し、開発し、及び保全するための計画
決定権者市町村
指定できる区域①用途地域が定められている土地の区域
②用途地域が定められていない土地の区域のうち一定の区域
届出制・一定の地区計画の区域内で土地の区画形質の変更、建築物の建築等を行う場合は、 一定の場合を除き、行為着手の30日前までに、必要事項を市町村長に届け出なければならない。
・この届出が地区計画に適合しない場合、市町村長は計画変更の勧告をすることができる。

 

1-8 都市計画法(都市計画の決定手続き)

各都市計画の内容は、誰が定めるのか?都市計画はどのような流れで決定されるの?

1 都市計画の決定権者

 広域的な都市計画、都市の根幹にかかわる都市計画は都道府県が決定し、それ以外の都市計画は市町村が決定する。複数の都府県にまたがる 都市計画区域では、都道府県が決定すべき都市計画を、代わりに国土交通大臣が決定する。下の表の「都道府県」を「国土交通大臣」と 読み替えればよい。なお、市町村が決定するものは市町村のままだ。

<都市計画の決定権者>

都市計画の内容決定権者
都市計画区域の整備、開発及び保全方針都道府県
区域区分(市街化区域と市街化調整区域との区分)都道府県
都市再開発方針等都道府県
地域地区用途地域市町村
補助的地域地区特別用途地区、高層住宅誘導地区、高度地区、高度利用地区、特別容積率適用地区、 特定街区、防火・準防火地域、景観地区、特定用途制限地域市町村
地区計画等都道府県又は市町村
都市施設都道府県又は市町村
市街地開発事業都道府県又は市町村
市街地開発事業等の予定区域都道府県又は市町村
促進区域、遊休土地転換利用促進地区、被災市街地復興推進地域市町村

※風致地区は、都道府県又は市町村が定める
(注)準都市計画区域についての都市計画は、都道府県又は市町村が決める。

1-8 都市計画法(開発許可の要否)

「開発行為」とは。何んだろう?「開発行為」は、どのように規制されているのか?

1 開発行為の規制の趣旨と内容

 計画的な街づくりのためには乱開発を防ぐ必要がある。そこで、建物を建てる目的で土地を造成をする場合、都道府県知事の許可を とらせるようにしている。これが開発行為の規制(開発許可)だ。
 従来、国、都道府県等が行う開発行為は開発許可が不要とされていたが、平成18年の法改正により、原則として許可が必要となった。 ただし、国の機関又は都道府県等と、都道府県知事との協議が成立することをもって、開発許可があったとみなされることになっている。

2 開発行為とは

1 意義
 開発行為とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設 の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更をいう。
 土地の区画形質の変更とは、造成(盛土、切土等)のことだ。要するに、「建物を建てるための土地の「ガタガタ直し」だ。
2 特定工作物
(1)第一種特定工作物
 周辺の環境悪化をもたらすおそれのある工作物
 例:コンクリートプラント・アスファルトプラント等 (2)第二種特定工作物
 ①ゴルフコース
 ②1ha(10,000m2以上の野球場・動物園その他運動・レジャー施設や墓園等の大規模な工作物

 開発許可不要の例外


1 公益上必要な建築物
 公益上必要な建築物(駅舎・図書館・公民館・変電所)は、みんあのためになる建築物なので、これらを建築するための開発行為は 許可不要だ。
 従来は、学校、医療施設、社会福祉施設等も、公益上必要な建築物として開発許可が不要とされていたが、平成218年の法改正により、これらの 建築物については、原則として開発許可が必要となった。
2 都市計画の施工として行うもの等
 都市計画事業・土地区画整理事業・市街地開発事業・住宅街区整備事業・防災街区整備事業の施工として行う場合は 許可不要だ。「○○事業の施工として」と出題されたら許可不要と思えば良い。
 そのはか、非常災害のための必要な応急措置、通常の管理行為・仮設建築物の建築等の軽易な行為なども許可不要である。
  3 小規模開発
 市街化区域では、1,000m2未満の開発行為であれば原則許可不要だ。同じく、 非線引き都市計画区域・準都市計画区域は3,000m2未満、 都市計画区域及び準都市計画区域外は1ha(10,000m2)未満の開発行為は原則許可不要だ。
 これに対し、市街化調整区域は市街化を抑制するところなので小規模開発の例外はなく、たとえ面積が小さくても、 ほかの例外に当たらない限り許可が必要である。 4 農林漁業用建築物
 原則として、農林漁業用建築物(牛舎・温室・サイロなどや農林漁業者の住宅)を築物するための開発行為は許可不要だ。しかし、市街化区域だけは、 原則として、許可が必要である。市街化区域は、農林漁業よりも、住宅を建てたり商業・工業を行ったりしていきたい場所だからだ。ただし、前述のように 市街化区域であっても、1,000m2未満の開発行為であれば許可は不要である。
 なお、農産物の貯蔵に必要な建築物(収穫したリンゴを貯蔵しておくための倉庫など)、農産物の加工に必要な建造物(みかんの缶詰工場など)は農林漁業用 建築物には該当しない。

<開発許可が不要となる例外>

小規模開発農林漁業用建築物公益上必要な建築物都市計画事業等の施工としてのもの・その他
市街化区域1,000m2未満は不要不要
市街化調整区域必要不要
非線引き都市計画区域3,000m2未満は不要
準都市計画区域3,000m2未満は不要
都市計画区域及び準都市計画区域外の区域1ha(10,000m2)未満は不要

※ 公益上必要な建築物:駅舎・図書館・公民館・変電所等。

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