法令上の制限

1-10 都市計画法(開発許可の手続き)

開発許可の手続き

1 開発行為の許可の手続き

1 事前の手続き
 許可を申請するときには、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を 得、かつ将来開発行為により設置される公共施設を管理することとなる者との協議を経なければならない。
 さらに、開発行為をしようとする土地等の権利者の担当数の同意を得ることが必要である。関係者と意見調整をすることによって、 後でトラブルが起こるのを避けるための趣旨だ。
2 許可申請
 必ず書面で申請する。申請書には、開発区域・予定建築物の用途・開発行為に関する設計・工事施行者 等を記載する。予定建造物構造、設備、予定建築価格の記載は不要である。添付書類として前述の同意書や協議の経過を示す書面も必要だ。
3 許可・不許可の審査
 市街化調整区域は審査基準が厳しく、市街化調整区域以外はゆるい。市街化調整区域以外(市街化区域等)は、33条に規定する許可基準に適合申請手続きが適法許可しなければならない。ところが、市街化調整区域は、 それにプラスして34条の許可基準のどれか一つに該当しなければ許可してはならない。市街化調整区域はなるべく開発行為 を行なってほしくない区域なので。ちょっとやそっとでは許可が下りないようになっているのだ。 4 許可処分
 許可処分は文書でなされる。
 知事は、用途地域外で開発許可をする場合、建蔽率・高さ・壁面の位置・その他建築物の敷地・構造・設備に関する制限 を定めることができる。制限に違反する建築物は、知事の許可を受けなければ建築できない。開発許可をしたいということは、いずれ 建築物等が建つということなので、開発許可と抱き合わせで規制してしまう、という趣旨だ。
 許可をしたら、知事は一定の事項を開発登録簿に登録しなければならない。
開発登録簿は知事が保管し、誰でも閲覧でき。写しの交付も請求できる。
 土地の「ガタガタ直し」の工事が完了したら知事に届け出て、検査を 受ける。検査に通れば、知事は検査済証を交付し、最後に工事完了の広告を行う。建物が建てられるのは 原則この広告の後だ。 5 不許可処分
 知事は、不許可処分をするときは、不許可の旨不許可の理由文書で通知しなければならない。
6 開発審査会に対する審査請求
 処分に不服がある者は、開発審議会に審査請求ができる。この 審査請求に対する開発審査会の採決を得ていなくても、裁判所への処分取り消しの訴えを提起できる。

2 開発許可を受けた後の手続き

   さまざまな理由で、開発許可を受けたときとと事情が変わってしまった場合、どのような手続きをとれば酔うのだろうか?
 開発許可を受けた者が、開発区域や予定建築物など、開発行為の内容を変更しようとする場合には、原則として 知事の許可を受けなければならない。しかし、工事に着所予定年月日の変更のような軽微の変更の場合には、遅滞なく 知事に届出をすればよく、許可を受ける必要はない。また、予定建築物を小学校から図書館に 変更する場合のように、開発許可を要しない開発行為への変更の場合は手続きをとる必要はない。
 開発行為に関する工事を廃止した場合は、遅滞なく知事に届け出なければならない。。 ガタガタ直し途中で工事をやめているのだから、開いた穴ぼこに人が落ちないとも限らず、危険だからだ。
 開発許可を受けた者から、開発区域内の土地の所有権その他開発行為に関する工事を施工する検眼を取得 した者は、知事の承認を受けて、開発許可に基づく地位を継承できる(特定承継)。開発行為を する人が代わるだけであり、開発行為の内容自体が変わらないので、許可までは必要ないのである。これに対し、 開発行為を受けた者が死亡した場合、その相続人(一般継承人)は、何ら手続きを経ることなく、開発許可 に基づく地位を継承できる。

<開発許可後の手続き>

許可後に起こったこと手続き
内容の変更知事の許可
軽微な変更知事の届出
許可不要な開発行為の変更手続き不要
工事廃止知事への届出
一般承継(相続等)手続き不要
よく亭承継(地位の譲渡等)知事の承認

1-11 都市計画法(開発許可に関連する建築規制)

開発許可に関連する建築規制にはどのようなものがある?

1 開発許可受けた開発区域内における建築規制

1 工事完了の公示前
 開発許可を受けた開発区域内では、工事完了の広告があるまでは、土地のガタガタ直しの工事の真っ最中だったり、工事完了後 の検査を受けていなっかったりするため、3つの例外を除き、建築物を建築することができない2 工事完了の公示後
 工事完了の広告があった後は、いよいよ建築物を建築することができる。建築できるのは、原則として、 開発許可申請書に記載した予定建築物だけだ。しかし、予定建築物以外の建築物以外の建築物を建築できる 2つの例外がある。

2 開発許可受けた開発区域以外の区域内における建築規制

 「ガタガタ直し」をする必要のないキレイな土地は、開発行為をしないため、開発許可を受けない。このような場所を 「開発許可を受けた開発区域以外の区域」という。ここにいきなり建物を建てて酔うのだろうか。
1 市街化調整区域
 そこが市街化調整区域であれば、いきなり建ててはいけない。市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域なので、開発許可の審査基準のハードル を高くしてあまり開発許可をしないようにし、建築を阻止している。しかし、開発行為をしない場合には、「建築そのもの」を、水際で 阻止する必要がある。したがって、市街化調整区域のうち、開発許可を受けた開発区域以外の区域で建築する場合、原則として、 知事の許可が必要なのだ。
 しかし、農林漁業用建築物など、そもそも開発許可が不要の建築物については、ここでの建築の許可も不要である。
 従来、国・都道府県等が行う建築については知事の許可が不要だったが、平成18年の法改正により、原則として許可が必要となった、この場合 国の機関又は、四道府県等と知事の協議が成立するすることをもって、許可があったものとみなされる。
2 市街化調整区域以外
 そこが市街化調整区域外であれば、建築許可は不要である。ただし、建築7基準法上の用途規制なぢは及ぶ。
3 田園住居地域内の農地の区域内における建築等の規制
 都市農地について、宅地の供給源としての位置づけから都市にあるべきものへと、その位置付けを変えた。そこで、 田園住居地域内の農地の区域内における営農環境の悪化を防止するために、建築等の規制をかける。 現況が農地である区域内において、土地の形質の変更、建築物の建築その他工作物の建設又は土石・廃棄物・リサイクルのための 再生資源の堆績を行おうとするものは、原則として、市町村長の許可を受ける必要があるのだ。駐車場とするための造成や 資材置き場とするための造成も規制の対象となる。

1-12 都市計画法(都市計画事業制限)

都市計画施設等の区画内における建築の制限とは?

1 都市計画事業とは

 都市計画事業とは、「都市計画施設※1の整備に関する事業」 及び「市街地開発事業※2」の2つをひっくるめた呼び方だ。都市計画法は、 都市計画事業を円滑に行われるよう、事業の妨げとなる行為を制限している。
※1 都市計画施設:都市計画で定められた都市施設のこと。
※2 都市計画事業:市街化区域・非線引き都市計画区域内で、一体的に開発・整備する必要がある。地域に定める都市計画。 土地区画整理事業・市街地開発事業など、7種類ある。

2 小規模な都市計画事業

 道路のような都市施設を作ることが決まった場所を「都市計画施設の区域」(市街地開発事業の場合は 「市街地開発事業の施工区域」)という。そこに勝手に建物を建てられると道路が作れなくなるので 規制をかける。しかし、まだ実際に工事が始まるわけではないので規制はゆるい(許可が必要な行為は1つだけ)。 次に「都市計画施設の認可・承認の告示」がされると、いよいよ工事が始まるので規制が 厳しくなり(許可が必要な行為は3つ)、呼び名も「事業地」に変わる。

3 大規模な都市計画事業

 工業団地の造成んさど大規模な都市計画事業をする場合は、早い段階で適地「市街地開発事業等予定区域」とし、建物が建っていかないように 中ぐらいの規制をかける(許可が必要な行為は2つ)
 「都市施設・市街地開発事業の決定の告示」がされても、引き続き中くらいの規制がかけられる(呼び名も「予定区域」)のまま。
 次に、「都市計画事業の認可・承認の告示」がされるといよいよ工事がはじまるので厳しい規制となり、 呼び名も「事業地」に変わる(許可が必要な行為は3つ)

2-1 建築基準法(総論)

建築基準法の趣旨と全体構造を把握しておこう!特に、単体規定と集団規定との違いに注意!

1 建築基準法の趣旨(目的)

 建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低基準」を定めることによって、 国民の生命、健康、財産を保護」することを目的としている。

2 建築基準法の内容

1 単体規定と集団規定
(1)単体規定は、個々の建物に対する規制(「居室には窓が必要」など)で、街から山奥まで、日本全国どこでも」適用される。
(2)街のなかで天まで届く高い建物を建てたりしたら、隣の建物が日陰になって迷惑だ。そこで、まちの中(原則として都市計画区域及び準都市計画区域内」) にのみ適用される集団規定」がが設けられている。
 この集団規定は、①道路との関係で制限制限を超える道路規制、②建物の用途を限定する用途規制」、③携帯規制でえある 建蔽率・容積率・高さ制限」、➃その他の規制の4つに分けられる。
 なお、都市計画区域及び準都市計画区域外であっても、知事が指定する区域内には、地方公共団体の条例 で、敷地の接道、容積率、建蔽率・建築物の高さ等に関して、必要な制限を定めることができる。 2 建築確認
 単体規定、集団規定に違反する建築がされないように、設計書の段階で事前チェックするシステムだ。
3 建築協定
 地域住民の申し合わせにより、建築物の敷地や用途等に関し、建築基準法より厳しい基準を定めることができる。

1 単体規定と集団規定

単体規定全国
集団規定原則都市計画区域及び準都市計画区域内
例外都市計画区域及び準都市計画区域外であっても、都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域内においては、地方公共団体の条例で、 敷地の接道、容積率、「建蔽率、建築物の高さ等に関して、必要な制限を定めることができる。

2-2 建築基準法(用途規制)

各用途地域には、それぞれどのような建築規制があるのだろう!

用途規制

用途地域住居系商業系工業系
建築物の種類〇…自由に建築可
✕…建築には特定行政庁の許可が必要
第一種低層住宅専 第二種低層住宅専 田園住居 第一種中高層住専 第二種中高層住専 第一種住居 第二種住居 準住居 近隣商業 商業 準工業 工業 工業専用
寺院・教会・神社、、巡査派出所・公衆電話所・診療所・公衆浴場・保育所・幼保連携認定こども園
住宅・共同住宅・寄宿舎・下宿・住宅に付属する店舗・事務所・老人ホーム・福祉ホーム・図書館・博物館・美術館
学校1(小・中・高等学校)
店舗・飲食店Ⅰ(2階以下150m2
店舗・飲食店Ⅱ(2階以下500m2
店舗・飲食店Ⅲ(1500m2

2-3 建築基準法(建蔽率)

建蔽率とは何だろう?緩和措置にはどのようなものがあるのだろう?

1 建蔽率とは

 建蔽率とは、建築物の建築面積(建築物の水平投影面積。1階部分の床面積とほぼ同じ) の敷地面積に対する割合のことだ。敷地内に空地を設けることにより、日照・採光・通風の確保及び延焼防止を 図るのが目的だ。
 商業地域の建蔽率は10分の8、その他の地域の建蔽率はとらの巻21の表の数値の中から都市計画で決定される。

2 建蔽率の緩和

 角地は、両隣に家が建っている土地に比べて延焼の危険が少ない。防火地域に耐火建築物等を建てる場合も同様である。そこで、 特定行政庁が指定する角地内にある建築物、準防火地域内にある耐火建築物等(耐火建築物又は耐火建築物と同等以上 の延焼防止性能を有する建築物)・準耐火建築物等(準耐火建築物又は準耐火建築物と同等以上の延焼防止性能を有する兼特物)と、防火地域内 にある耐火建築物等に対しては、原則の建蔽率制限の10分の1が加算される。
しかし、商業地域など、原則の建蔽率制限が10分の8とされている地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物等には10分の2が加算され 10分の10となる(つまり、建蔽率の制限なし)。
 建築物の敷地が防火地域の内外に渡る場合には、建築物の全部が耐火建築であれば、その敷地の全部が防火地域内にある ものと扱われて、建蔽率の制限の緩和又は制限なしとなる。また、建築物の敷地が準防火地域と防火建築物又は準耐火建築物等であれば、その 敷地の全部が準防火地域内にあるものと扱われて、建蔽率の制限が緩和される。

3 建蔽率制限の適用除外

①巡査派出所・公衆便所・公共歩廊その他これらに類するもの、②公園・広場・道路等の内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上 及び衛生上支障がないと認めて許可したものは、建蔽率の制限を受けない。

4 建蔽率の最高限度

<建蔽率>

用途地域建蔽率の最高限度
原則緩和
①特定行政庁が指定する角地②準防火地域内で耐火建築物等・準耐火建築物等③防火地域内で耐火建築物等1①②の両方又は①③の両方に該当する場合
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
田園住居地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
工業地域
10分の3/4/5/6 左の数値の中から都市計画で定める+10分の1+10分の1+10分の1+10分の2

5 敷地が建蔽率制限の異なる地域にわたる場合の取り扱い

<建蔽率>

建物の敷地が、建蔽率の規制数値の異なる複数の地域にわたる場合には、それぞれの地域の建蔽率の最高限度の数値にその地域に 係わる敷地全体に占める割合を乗じた数値の合計が、その敷地全体の建蔽率の最高限度になる。

2-4 建築基準法(容積率)

容積率とは何だろう?どういう場合に規制が厳しくなるの?

1 容積率とは

 容積率とは、建築物の延べ面積(=各階の床面積の合計)の敷地面積に対する割合左のことだ。 延べ面積が大きい建物は収容人数も多いため、面している道路(前面道路)が、やってくる人と帰る人により、混雑する。
 容積率の規制の主な目的は、延べ面積を抑えることによって、「前面道路の混雑を防止」することだ。

2 容積率制限の緩和

(1)共同住宅(アパート・マンション等)及び老人ホーム等の共用の廊下・階段の床面積は、延べ面積に算入しない。
(2)建物の地階(天井が地盤面から1m以下)にある住居部分の床面積は、その建物の3分の1までは、延べ面積に算入しない。 この特例は、店舗付き住宅のように、住宅以外の用途に供する部分を有する建築物にも適用される。
 老人ホームも、住宅と同様地下室の容積率特例の対象だ。高齢者等の増加に対応した良質な老人ホーム等の供給を 促進するためである。
(3) 建物用途を限定せず、エレベーターの昇降路(シャフト)部分の床面積は、延べ面積に算入しない。エレベーター 昇降路部分全体を容積率不算入とすることで、バリアフリーの観点からエレベーターの設置等の促進を図るためだ

3 前面道路による容積率の規制

 容積率の規制は前面道路の混雑を防止するためのもので、前面道路が狭ければ、規制はより厳しくなる。
 前面道路の幅員が12m未満であれば、まず、幅員の数値(m)に①住居系用途地域は4/10、②それ以外の地域はは6/10を掛ける。産出された 数値と都市計画で定められた数値と比較して、小さいほうが容積率の最高限度となるのだ。なお、 複数の道路に接している場合、広いほうの道路の幅員を基準とする。

4 各用途地域における容積率の規制 

<容積蔽率>

用途地域(a)と(b)を比較して小さいほうが容積率の最高限度となる
(a)用途地域ごとに都市計画で定められる数値(b)前面道路の幅員が12m未満の場合は前面道路の幅員に下記数値を乗じて算出される数値
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
田園住居地域
10分の5/6/8/10/15/20左の数値の中から都市計画で定める 前面道路の幅員×10分の4
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
工業地域
10分の10/15/20/30/40/50 前面道路の幅員×10分の4
特定行政庁が都道府県審議会の議を経て指定する区域内で10分の6

5 敷地が容積率制限の異なる地域にわたる場合の取り扱い

 建物の敷地が、容積率の制限数値の異なる複数の地域にわたる場合には、それぞれの地域の容積率の最高限度の数値に その地域に係わる敷地全体に占める割合を乗じた数値の合計が、その敷地全体の容積率の最高限度になる。

6 敷地面積の最低限度

 狭い敷地に建物を建てると、地震に弱いヒョロヒョロした建物となり、危ない。これを防止するために、用途地域に関する 都市計画で、敷地面積の最低限度を定めることができる。たとえば、最低限度を100m2と定めた場合、100m2未満の 敷地には、建物が建てられなくなり、地震に強い町並みが出来上がるというわけだ。
 しかし、最低限度の面積が広すぎる(たとえば500m2)と、誰も建物が建てられなきなってしまう。 そこで、敷地面積の最低限度を定めるときは、200mを超えない範囲(200m以下)で定めなければならない。

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